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排出権価格参照クーポン付ユーロドル債(CO2L Bond(クールボンド)※1)を共同開発
―金融機能を通じ地球温暖化防止への参加手段を提供―

平成18年2月16日

各 位

このたび、大和証券エスエムビーシー株式会社と大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ株式会社は、画期的な新商品として、利金部分に京都議定書の排出権を組み込むことにより、元本を確保しつつ、排出権価格を参照したクーポンが付与されたユーロドル債(CO2L Bond)を共同で開発しましたのでお知らせいたします。

CO2L Bondは、排出権取引に直接参加できない個人等の投資家が排出権取引の経済効果を得るための手段の提供を目指したもので、弊社としては地球温暖化ガス削減事業の推進の一助となるよう、引き続きCO2L Bondに取り組んで参ります。

1.CO2L Bondの概要

CO2L Bondは、元本格付けAAA取得予定の米ドル建ての債券で、利金相当分で2008年から2012年に発生する京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM※2)による認証排出削減量(CER)を先渡し契約に基づき発行時に決定する固定価格で毎年購入することにより地球温暖化ガス削減事業を支援し、購入したCERを毎年の利払い前に市場に売却した代金を利金として支払います。

第1号債では、日揮株式会社、丸紅株式会社、大旺建設株式会社の共同出資により設立されたJMD温暖化ガス削減株式会社(JMD社)が推進する中国浙江省衢州市の浙江巨化股有限公司の代替フロン製造工場で排出されている地球温暖化フロンガス「HFC23」の回収・分解を行うCDM事業から得られるCERを購入の対象とします。金融商品としてのCO2L Bondは、元本確保型の債券であり、さらに、地球環境の保全に貢献しつつ、CERを市場に売却した代金を受け取ることを目指します。

CO2L Bond(クールボンド)概念図

2.CO2L Bondを通じた温暖化防止への貢献

京都議定書は、目標の達成手段として市場原理を活用する京都メカニズムを導入しています。これは、国内外を問わず、効率の良い場所で削減事業を実現させる仕組みであるため、地球規模での温暖化ガス削減が期待できますが、基本的に、市場参加者は排出権に需要を持つ産業部門が中心となります。しかし、CO2L Bondによって、この市場の参加者を、個人・民生部門を含む投資家層にまで拡大することが可能となります。

CO2L Bondの投資家は、利金部分で固定価格によりCERを購入してCER価格の変動リスクを引き受けることにより、CDM事業の将来収益を安定化させ、資金面で事業を支援・促進することになります。地球温暖化防止に関心があっても、温暖化ガス排出削減事業への参加手段が身近にない個人・民生部門にとって、CO2L Bondは金融を通じた参加手段となります。

日本政府は、京都議定書で、温暖化ガスの排出量を2008年から2012年の5年間(第一約束期間)平均で、1990年比6%削減することを約束しています。一方、2004年度の実績は、7%以上の増加となっており、約束を守るには1990年の基準年対比で13%(1億6千万トン)以上を削減しなければなりません。

省エネ技術が普及している国内では、追加的な削減コストが高いため、京都メカニズムによる排出権の獲得が必要となります。CO2L Bondは、個人・民生部門の資金も活用して、約束期間に発生する排出権を日本の登録簿にもたらす役割を果たします。CERを国内で売却できれば、日本政府の約束の履行に寄与することになります。

3.大和証券グループの環境への取り組み

大和証券グループは、機関投資家の立場から企業に対して環境関連情報の開示を促す「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)」や、持続可能な経済社会の発展に向けて金融機関として行動する「国連開発計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)」に加盟するなど、環境に配慮した金融のあり方について検討、実践、推進しています。具体的には、2003年7月より、大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ株式会社は、世界銀行コミュニティ開発炭素基金(CDCF:Community Development Carbon Fund)に対して段階的に出資を進め、2005年10月には、同基金によるホンジュラスでの水力発電CDMプロジェクトが、世界で初めてこの削減量の認定をCDM理事会※3より受け、ファンドに対しCERが発行されています。
(参考サイト: http://www.dpipartners.co.jp/news/051021/051021.html)

  • ※1 「CO2L」は大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ株式会社の登録商標です。「クールボンド」は大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ株式会社が商標出願中です。
  • ※2 京都議定書が、排出削減目標を達成するために導入した市場原理を活用するメカニズムの1つで、先進国が技術や資金を提供し、発展途上国で温室効果ガス削減プロジェクトを行った場合、そのプロジェクトによって削減された温室効果ガス相当量を、一定の認証手続きを得て取引できる制度。
  • ※3 気候変動枠組条約第7回締約国会議(COP7)のマラケシュ合意に基づき設立されたCDMプロジェクトの管理、監督機関。

以上